新しい資産形成  ‘つみたてNISA’ が始まる

2014年1月にスタートした <一般NISA> は、今年で導入3年半になります。
そして、2018年1月からは新たに、月々の累積投資に限定した <つみたてNISA> がスタートすることになります。

◆〈一般NISA〉の現状
*3年経過した <一般NISA> ですが、実は口座を作っても、生活に必要ない資金ができたら・・・という理由で投資をしていない人が多く、どうしても目前の用途にお金が優先されて投資をなかなか始められず、結果として国内では個人での投資が増えていかないのが現状です。
*また、もし臨時収入があり、それをNISAに投資したとしても、過度で短期でのリターンを望むために、大きなリスクを取ってしまうようなことも多いといわれてます。
*更に、NISAの利用者は退職世代が多いため、今後は20~50歳台を中心とする資産形成層への利用促進は大きな課題となっています。

◆つみたてNISAの目的は〈貯めてから投資〉ではなく〈投資しながら貯める〉へ
一方、日本には1,800兆円もの家計金融資産があります。しかし、日本の家計金融資産の伸びは低く、過去20年の家計金融資産の伸びは米で比較すると、日本は約1.5倍であるのに対して米国は3倍を超えています。米国が伸びているのは明らかに運用リターンによるものと言えます。
そこで金融庁は、<貯めてから投資> という発想を<投資しながら貯める>よいう発想に変換することが現日本では必要と述べています。
金融庁ではこの〈つみたてNISA〉では大きく3つの取り組みを目指しています。

*個人にとってのインセンティブ。

*金融機関のビジネスモデルを顧客本位の業界ビジネスモデルへの変換。

*金融リテラシーの向上。       (金融庁総務企画局参事官 油布志行氏 )

◆〈一般NISA〉・〈つみたてNISA〉・〈iDeCo〉どれが有利?

さて次に、長期投資型〈一般NISA〉、個人が長期の積立投資を行う <つみたてNISA>、〈iDeCo〉との比較です。 ※iDeCoとは個人型確定拠出金です。
資産形成手段としてはどれが良いでしょうか。〈一般NISA〉が個人の投資に利用しにくいことを踏まえて、少額からの積立・分散投資の促進を目的に〈つみたてNISA〉が導入されましたが、もうひとつ比較対象できる資産形成手段に〈iDeCo〉があります。

3つの制度のそれぞれの特徴は、
*年間の拠出限度額が最も多い <一般NISA>、
*運用益の非課税期間が比較的長い <つみたてNISA>、
*拠出時の税制メリットに優れる <iDeCo〉というものです。

この3つの使い分けについてですが、〈一般NISA〉と、〈つみたてNISA〉は売却すると非課税枠を再度利用することができないために、ファンド間でのスイッチングができなくなっています。

一方〈iDeCo〉は一度口座に資金を拠出してしまえば、口座内での再投資に自由度があります。3つの中でのリバランスは〈iDeCo〉の商品内で行うのが有利になる可能性が高いと、大和総研金融調査部研究員の是枝俊悟氏は述べています。

~**〈一般NISA〉〈つみたてNISA〉〈iDeCo〉の比較 **~

出所:大和総研作成

◆〈ジュニアNISA〉
ほかにも、一般NISAの中には〈ジュニアNISA〉という教育資金の準備用もあります。しかし、これは18歳まで引き出しができないので、途中で教育資金が多くなった場合必要なときにお金を用意できない可能性があります。

*** LIFE SFIFT ***
新しくはじまる〈つみたてNISA〉は非課税投資の期間が長いので心理的ハードルを下げることができます。
これを機に少しずつ始めてみるのはよいかもしれません。そして、安全といわれてきている‘銀行定期積立’からの志向を変えてみるよいチャンスかもしれませんね。

「人生100年時代」といわれるように、長期的に資産管理をしなくてはならない時代が到来しました。
ポートフォリオの構築は世帯単位で、将来の必要資金や時期を考えながら行うことが重要になります。

参照記事:Journal of Financial Planning/November 2017 P25~36
参考書籍:LIFE SFIFT 2016/11 東洋経済新報社