☆★ 国際宇宙ステーションが “会社” になる !? ★☆彡

地球から400キロメートル上空に建設された国際宇宙ステーション  ISS 

それはなんと時速27,700㎞で、地球を1周90分、1日16回周っています。
船内では、宇宙飛行士を乗せて次のⅠ.のような有益な研究が行われ結果を出しているのです。

ISSは、日本をはじめ米国・ロシア・欧州・カナダなど世界15ヶ国のパートナーがそれぞれの開発パーツを持ち寄って作り上げた各国の研究機関であり、国際協力プロジェクトの結晶です!

~For reference, the International Space Station sits about 254 miles above the planet.~

          

Ⅰ.国際宇宙ステーションの未来

◆1)日本は「きぼう棟」を提供
我が国はISSの中で「きぼう」という有人施設の研究機関を提供しています。2000年10月には、若田光一宇宙飛行士が、日本人初の船長として国際宇宙ステーション組み立てに参加して、ロボットアーム操作でユニティの上部に構成要素を見事に設置しました。

他にも、日本は物資補給のために宇宙ステーション補給機「こうのとり(HTV)」を提供し重要な役割を果たしてきました。しかし、
こうのとり」9号機は先月の8月20日に最後のミッションを終えてISSから分離し、地球の大気圏に突入し燃え尽きていきました。
こうのとり、おつかれさまでした。そしてありがとう,lots。

◆2)ISSでの研究
我が国が開発した「きぼう棟」での研究は、今地球がかかえている、オゾン層の破壊や地球の温暖化、砂漠化など深刻な問題解決のために地球を宇宙から観測調査し、様々な環境問題解決を目指しています。

また、地上では混ざり合うことのない2つの物質が、重力がない環境では混合が可能になる実証のほか、タンパク質の構造に基づく薬剤設計支援、加齢研究による健康社会形成への研究が行われています。

★8/26にはISSの船外研究装置では、細菌を3年間放置したあとも、その細菌が生きていた研究結果か発表され、生命が地球外からきた可能性もあると示唆しています。(NHK NEWS WEB 2020-08-26)。
他にも多くの研究成果がでていますね。

◆3)ISSが商業活動へ
NASAでは、このような成果を実生活に役立たせるために、今後はISS全体を商業施設として稼働しようと取り組んでます。
2020年5月31日 には、米国フロリダ州のケネディ宇宙センターから、ファルコン9ロケットでスペースX社の米国商業有人宇宙船 「クルードラゴン(Demo-2)」が打ち上げられ、無事に国際宇宙ステーション(ISS)にドッキングし約63日間滞在の後、帰りも宇宙飛行士を乗せてメキシコ湾へ着水帰還することに成功しています。ISSへの宇宙旅行が身近になってきています。他にも宇宙で着る化学繊維の応用など商業化への実績を出しています。

◆4)しかし・・ISSの研究は2024年まで・・
ISSはこのように大人にも子供達にも夢を与えてくれますが、実は研究としての運用は2024年で終了することになっているのです。。

理由は、維持運用するためのコストが多額になっているため資金調達の見通しが立っていないからです。ISS全体のかかった総コストは15兆円以上、日本の「きぼう」の開発費だけでも3440億円、年間維持費で400億円になります。各国ともこの資金はほとんど税金で賄われています。
この維持資金の捻出方法は2024年までしか決まっておらず、それ以降は商業利用をベースに民間に移管し、民間で調達される想定になっています。

・・・ISSは、会社として継続できるかどうかのカウントダウンが始まった今、大きな局面に立たされています。

Ⅱ.米国の会社について

さて、実際に米国で会社を作るとした場合、日本の会社とどう違うのでしょうか。。いくつかのアウトラインを簡単にまとめました。

◆1) いろいろな米国の事業体 
それでは、もしアメリカで会社を持つとしたらどんな事業体があるのでしょうか。大きくは下記のような企業形態に分けることができます。
米国は個人の資産管理会社から、公開企業まで多様な事業形態の選択の幅があり、日本の法人課税制度とは異なっています。

☆ 内国歳入法(Internal Revenue Code)の構造では、
Subtitle A(Income Taxes「所得税に係る定め」)>Chapter 1(Normal Taxes and Surtaxes、「通常税等に関する章」)>の Subchapter A(§1から§59Bまで)において個人(individuals)と法人(corporations)を納税主体と定めており、Subchapter K(§701 から§771 まで)においてパートナーシップ(partnership)の取扱いを定める等して、様々な事業体(entity)の取扱いを規定しています。

☆ §7701 では、法人やパートナーシップについて条文上の定義規定が置かれており、§7701財務省規則では、事業体の区分及び税務上の取扱いの決定に関する包括的なルールが定められてます。§7701 規則における事業体区分の基本的な考えは下表のようになります。
(see:Treas. Reg. §301.7701-1, 2, 3, 4. 7 Treas. Reg. §301.7701-1(a), (b))9 Treas. Reg. §301.7701-2(a)

☆ 日本とは異なり、現物出資で法人を設立しても課税の対象にならない点は大きな違いとも言えます。

1). Solo Proprietorship
法人自体には課税はなく、Form1040の個人申告用で申告しますが、法人としてはForm1065にて情報を申告します。

2). Partnership
次の3種類に分かれます。LLPもこの分類に入ります。

3). LLC:Limited Liability Company
LLCは有限責任会社になるのですが、株式会社とパートナーシップの利点を併せ持った混合型の組織になります。

☆LLCも、基本的にPartnership課税ですが、Form8832を提出することにより、Corporationとしての課税方法も選択できます。もしForm8832を選択しないで放棄した場合は、メンバーが2名以上の内国LLCであればPartnershipとして課税され、メンバーが1名(個)であるなら個人課税になります。
なお、有限責任の外国法人であればCorporation課税です。

☆日本人オーナーが米国に資産管理会社を持つ場合は、この事業体を選択することが多いです。

4.5). S.Corporation と C.Corporation
完全なる米国内国法人となり、Sは「サブチャプターS」申請をした法人、Cは一般普通法人を指します。※Sチャプターで小規模法人としてパススルー可。

 

◆2)   パス・スルー課税のしくみ
次にパス・スルー課税の仕組みですが、法人と株主である個人が二回にわたって課税されないように配慮された課税方法です。
その仕組みは株主個人の申告書に影響してきます。

≪ A・B・Cの3名のパートナーで構成される資産管理会社LLCの申告の具体例  ≫
①. LLCの所得(income)、費用(expense)、他利益(gain)、損失(loss)をそのまま各3名のパートナーの配分割合で分けます。各自の配分割合は、持ち分比率には関係なくパートナーシップ合意によって決めます。

②. たとえば、PLの売上高が2,799ドル、費用が1,899ドル、特別利益が99ドルとし、この配分比率を3人で公平に分ける合意書にすると。。

 


このように資産管理会社LLCは株主A,B,C,がそれぞれの配分割合に基づいて確定申告をすることになります。

 

◆3)   米国の減価償却費
米国は、2017年のトランプ大統領による大型税制改正によって減価償却費の種類が次のように増えました。
なお個人も法人も同じ減価償却方法になります。

<1. MACRS 法(modified accelerated cost recovrery system)> §168(b)
米国は、現在MACRS法が基本的な償却費計算制度ですが、次の2種類が用意されています。

①.GDS:general depreciation system ➣通常償却制度
②.ADS: alternative deprecation system ➣代替減価償却制度 (※限定的なので説明略)

➣GDS:(general depreciation system) ➣通常償却制度
不動産とそれ以外に分けて下表のようになっていますが、いずれも残存価格はゼロとして始めることができます。

                                     (表:筆者作成)
☆参考)MACRS PECENTAGE TABLEの耐用年数表(2019/5)
https://www.irs.gov/pub/irs-pdf/p946.pdf

<2. 即時償却(Bonus Deprecation> §Section 179 expenses and Section 168(g) 168(k)
トランプ税制改革で、ボーナス償却も導入されています。小規模事業者向けの即時償却制度として、2017/9~2022/12までに取得した§179の適格資産(償却年数が20年以下の動産等)は初年度に一括で$1,000,000 までの即時償却が認められることになり、年間の固定資産取得価額の合計が $2,500,000 を超えると即時償却額は逓減されることになっています。ただし相続・贈与資産は除かれます。
seeProposed Treas. Reg. § 1.168(k)-2(b)) and the About Form 4562 webpage.)

※Sec.179対象資産:賃貸物件内コンピューター・電話と携帯電話・オフィス設備・車など。

 ★ コストセグリゲーション法 ★
2.のボーナス償却制度により、取得した家屋内にあるコンポーネント(資産)を分類し、耐用年数が20年以下のコンポーネントを、即時償却し節税ができるようになっています。この方法を、コストセグリゲーション (Cost Segregation)法と言い、結果物件を購入した1年目に損失として計上することができるようになります。しかし、下記のようなスケジュールで2023年1月1日以降から取得できる割合が下がっていきます。

※これは、あくまでも米国での方法です。もし日本で特殊な償却方法を適用したい場合には国税庁へ届出等が必要になります。なお日本では個人が取得した中古海外不動産の減価償却費については税制改正により、2020年分から損金算入に制限がかかりました。

 

◆4)   アメリカの法人税:Federal corporate tax rate
現在、アメリカの連邦税は2017年の税制改正により21%になっています!
 The federal corporate tax rate is set at 21%. 

例)売上が300,000ドル、経費が50,000ドルだとした場合の連邦税額を知りたいとします。
①.まず、年間収益から費用を差し引きます。
$300,000 – $ 50,000 =$250,000課税所得
②.次に、21%の連邦法人税率に課税所得を掛けます。
$250,000× 0.21 = $52,500
③.連邦法人税で40,950ドルを支払う必要となります。

(*Sample: Federal corporate tax )
Let’s say you have annual revenues of $300,000 and expenses of $50,000.You want to figure out how much you owe in federal taxes.First, subtract your expenses from annual revenues:$300,000 – $50,000 = Taxable Income ,$250,000 = Taxable Income Next, multiply the federal corporate tax rate of 21% by your taxable income:$195,000 × 0.21 = $52,500 Then, you would owe $40,950 in federal corporate taxes.

 

◆5)   米国50州の法人税:State tax rate
州の収入源は、法人所得税、売上税、資産税ですが、各州の税法により異なっています。
ほとんどの州が、連邦税率に加えて法人所得に対して法人税率を設定しています。(下表参照。)

その中で、ネバダ州、 オハイオ州、サウスダコタ州、テキサス州、ワシントン州及びワイオミング州の6州は、法人所得に対する課税を行わず、売上税、フランチャイズ税、職業税など別の方法で徴収しています。 近年では一部の州で、デジタル課税もはじまっています。

米国の州課税権の基本は―一定の繋がりがあるネクサス(Nexus) 216 1.2.1. 課税が基本にになっているため、各州が独自の会社法を有し、法人は州の会社法に基づき設立されています。このため法人が他州に資産を保有しているとNexusがあるとされてその州でも課税されることになります。

(*State tax rate)
Most states set a corporate tax rate in addition to the federal rate. But, not all states levy a corporation tax rate. Among these, South Dakota and Wyoming do not have state corporate income taxes. Nevada, Ohio, Texas, and Washington levy gross receipts taxes instead of corporate taxes.The states with tax rate ranges apply tax rates based on how much the corporation earns.

 

◆6)   世界の法人税率:Corporate tax rate another countries
参考までにOECDからの世界の法人税率は次のようになります。
https://stats.oecd.org/Index.aspx?DataSetCode=TABLE_II1

 

◆7)  トランプ税制  
トランプ大統領は税制改正の骨子として4つのフレームワークを示しました。中でも法人に対しては、“国外に留保されている数兆ドルの利益を米国に還流し再投資させたい”  との意向から、法人税率を35%から21%までに大幅減税をしました。

同時に、米国経済を推進させる小規模事業者(small businesses) にも大きな減税の恩恵を与えるべきであるとし、パススルー事業体を通じて個人が稼得した所得に対する軽減課税(20%相当額控除)や、投資促進のために設備投資即時控除を拡大しています。

(see: Unified Framework”Small P7 ➣ businesses drive our economy and our communities, and they deserve a significant tax cut. This framework creates a new tax structure for small businesses so they can better compete. Furthermore, America’s outdated tax code has fallen behind the rest of the world – costing U.S. workers both jobs and higher wages. In response, the framework puts America’s corporate tax rate below the average of other industrialized countries and promotes greater investment in American manufacturing.”)

☆ このような米国のパートナーシップ改正税制に伴う事業体の出資者課税の多様性は、米国税制の特色であり、日本の税制とは大きく異なるところです。

Words)・FDII/外国源泉の無形資産関連所得に関する所得控除・GILTI/グローバル無形資産低課税所得・Beat/ 税源浸食濫用防止規定

 

◆8)  米国企業進出企業の調査では・・  

JETROが毎年行う米国企業進出企業の2019年度の調査では、
経営上重要なトランプ政権の政策分野として、「通商(86.4%)」、「外交(62.5%)」、「税制(58.6%)」が上位に挙がり、具体的な政策項目として、「追加関税(通商)」が64.1%で最も高く、「法人税(税制)」(51.3%)となっています。

(出典:JETRO)

さらに、税制改革法全般について「プラスの影響」と回答した企業は30.1%で、プラスの影響が大きかったのは「連邦法人税減税」が53.4%、「固定資産の一括償却選択可能」は16.7%という結果を示しています。この結果からは、トランプ大統領の減税効果は米国に進出した日系企業にとっては、多少でもプラスであったことがわかります。                       

まじかに迫ってきた大統領選挙ですが、富裕層優遇と言われたきたトランプ税制でしたが、もしライバルのバイデン氏が大統領に当選した場合、例えば米国の伝統的な401K退職金プランを見直すと公約しています。

この改正では控除額をフラット化することで低・中所得者の手取りを増やし貯蓄を促進できるとしています。
トランプ税制が再考される時期に差し掛かっているかもしれませんね。(https://finance.yahoo.com/news/biden-retirement-proposal-overhaul-traditional-173611440.html)

 

Ⅲ.宇宙ビジネスの難しさ

宇宙ビジネスに対して50年にわたり宇宙開発リーダーである米国は、威信にかけて”宇宙”には前向きです。その上、宇宙ビジネスは人類に夢を与えてくれるので世界からの注目を集めやすいです。しかし、成功させるためには越えられない高いハードルがありました。
それは、なんと言っても宇宙ビジネスには “膨大な費用” がかかることです。

実際にいくつかの国営機関を宇宙ビジネスに民営化した2つの事例と、他に知名度の高い企業を簡単にご紹介します。取り扱う商品が高額で利用者が少ない市場のために、費用をまかなえる収益構造には成りづらいのです。

★ 1社はイギリスにある衛星通信業者「インマルサット」(International Maritime Satellite Organization)https://www.inmarsat.com/ という会社です。1979年4月にイギリスの会社法により国際機関である国際海事衛星機構の事業部だけを引き継いで設立し、衛星移動体通信企業として設立された民間企業です。なお、KDDIも4.85%出資しており、人工衛星“きずな”をJAXAと情報通信研究機構(NICT)とで共同開発し、国産超高速インターネット衛星事業をしています。現在も安定経営をしており宇宙ビジネスとして民営化が成功したと希少な企業と言えるでしょう。

★ 2社目は、米国ワシントンD.Cにある衛星通信サービス会社「インテルサットhttp://www.intelsat.com/という法人があります。もともと1964年に7か国の参加の政府国際間組織として発足した国際電気通信衛星機構(ITSO)でしたが、2001年に通信業務を行う株式会社「インテルサット」と、そのまま政府間組織「ITSO」とに分割し、数か国および140ヶ国以上の通信事業者が出資し、出資者の中でもコムサットの出資比率は61%です。

しかし、設備投資や経費が嵩んでしまったのか…。同社はコロナによる経営不振を理由として、2020年5月13日に米連邦破産法11条に基づく会社更生手続きを連邦破産裁判所に申請しています。これによって、150億ドルある債務の半分を解消できることでほかの事業資金にあてる考えのようです。同時に10億ドル(約1070億円)の事業再生融資(DIPファイナンス)を確保し、再編プロセスにより流動性を拡充させ、債務負担を大幅に減らせる見込みという方針を出しています。http://www.intelsat.com/news/press-release/intelsat-undertakes-financial-restructuring-to-pave-the-way-for-future-innovation-and-growth/
これにより、インテルサットが衛星ビジネスにおいて経営不振の問題を抱えていることがわかります。

★ 3社目は、「Virgin Galactic」社です。この会社は記憶に新しく2019年10月に“宇宙旅行会社“として初の上場を果たしています。

事業計画として “年間500人の観光客を一人当たり25万ドル(約2千6百万円)の料金で宇宙へ送る計画を立てました。飛行は弾道飛行で、大気圏と宇宙のおおよその境界とされる地上100kmを若干超える高さまで到達することになっており、完全な無重力になる時間はおよそ6分間を予定しているそうです。将来的には軌道上を周回する宇宙機の投入も計画しているとのことで、
・・このような計画を聞くと宇宙旅行もだいぶ民間にも身近になってきますね。

しかし、同社の株価は今年2月には37ドルまで高騰していたのですが、現在は15ドルまで降下してしまいました。米国モルガンスタンレーは、“宇宙旅行サービス便が年間150フライトを超えるまでは損益分益点に到達せず、フリーキャッシュフローを得ることはできない”と予測しています。
さらにサービスの提供が遅れた場合に備えて融資を受けるべきではないかとの提案もなされています。このように上場して1年で経営困難におちいってしまいました。宇宙ビジネスの厳しい現実を物語っています。

★ 4社目は、期待できるかもしれない「Space X」社です。この会社は今年有人飛行を成功させることができました。(Ⅰ.記載)

この点、NASAにとっては頼みの綱になっています。
なぜなら、現在、NASAは宇宙飛行士をISSへと運ぶために唯一の方法である「ロシアのソユーズ」に依頼しているのですが、ソユーズの座席価格は高騰しています。それどころか、米国のイラン・北朝鮮・シリア拡散防止法Iran,North Korea,and Syria Nonproliferation Act Sanctions、通称“INKSNA”)に基づいて、ロシアからの座席購入には議会での検討が必要になっています。少なくても拡散防止協定の期限の2020年12月までは購入可能ですが、そのあと座席購入の保障がないのです。

このため、Space X社の今年の有人飛行成功により、NASAはソユーズに頼らなくてもよくなるかもしれません。今後のSpace X社の宇宙ビジネスの成功に大きな役割を担うに違いありません。    (NASAがソユーズ座席を追加購入  https://sorabatake.jp/12438/

★ ~もちろん他にも宇宙ビジネスの企業はたくさんありますが資金の問題を多く抱えており、解決するために衛星を利用して借入をするジンジケート・ローンや、その収益を見越してのプロジェクト・ファイナンスなどで資金調達をして経営をしたりします。このような中、1社目のインマルサットが安定しているのは地上の携帯利用者が市場だからということもあるわけです。
宇宙ビジネスはまず収益見込みが解決のカギになるのでしょう。

他に宇宙ビジネスにおいては宇宙ゴミによる環境破壊の問題も深刻になってきています。

 

Ⅳ.NASAは商業利用を模索している・・

◆1)費用VS収益の問題
ISSのパートナーシップ15か国(米国、ロシア、カナダ、日本、および欧州宇宙機関を通じて運営されている11のヨーロッパ諸国)は、2024年まで運用を継続することに合意をしていますが、NASAは2025年度からISSを民間事業に移行することを目標に掲げ、この取り組みに対して十分な民間部門の関心をつかむことを重要な課題としてレポートしています。(source: International Space Station Transition Report pursuant to Section 303(c)(2) of the NASA Transition Authorization Act of 2017 (P.L. 115-10)  March 30, 2018)

この報告書によると、商業活動として民間人をISSに送るミッションは、毎年最多で2回行い、最長で30日間滞在させ、旅行費用は1泊当たり3万5000ドル(約378万円)で、部屋代、滞在費やISSでの空気代としています。この他、往復の輸送費に数百万ドルかかるとみられます。
他に、商業ローンチ市場(打上げ)などの低地球軌道での商業化を拡大するには企業間関係が必要と強調しています。月面ゲートウェイの構想も2025年の商業用に間に合わせることなどを含めて、ISSを成功させるための商業施設を建設して、必要なあらゆるサービスをリースできるようにするよう働きかけています。

NASAは2017年までにISSとの間での乗組員を輸送するための商用ロケットと宇宙船に178億ドル、貨物の配送に90億ドル以上、貨物の開発に80億ドル以上かけています。今のところ2024年9月までの合意により、見積総コストは1億9,600万ドルに増加しています。

これだけの予算をカバーしてくれる企業(出資者)が2024年までに現れるでしょうか。。もちろん1名でなくても世界中から出資してもらえばいいわけですね。
このためには、費用に見合う観光、衛星商品などの収益の見込みや、宇宙の商業市場活動に対する ”強い需要” が必要なのは言うまでもありません。

★しかし・・、このバジェットを見る限りですと、ISSは費用を削減したり、リソースを振り分けたり、売上計画等はほとんど考えていないように見受けます。もしここで経営陣が変われば数字も改善されるかもしれないですね
たとえば、はじめは営業推進部、市場調査部、経営企画予算部、消費者部、購買製造部など専門に経営を分け、NASAはあくまで “研究開発部” だけに特化してもらう方が良いと筆者は思います。 いかがなものでしょうか…。

◆2) ISSの耐用年数の問題
他にもISS自体の耐用年数の問題があります。2024年を超えて延長することは、その深宇宙探査能力に大きく影響します。ISSは現在2024年9月までの運用が許可されていますが、ボーイング社はISSの耐用年数を少なくとも2028年まで延長する可能性の評価はしているものの、多くのモジュールの部分的な劣化や取り替えで年間30〜40億ドルが引き続き必要ですし、2030年6月までの運用が少なくとも持つのではないかとの見解であり、その後のISSの運用の事は何も触れていません。
(source:International Space Station Transition Report pursuant to Section 303(c)(2) of the NASA Transition Authorization Act of 2017 (P.L. 115-10)  March 30, 2018)        

     === おわりに ===

☆★ 2024年以降も国際パートナーシップが必要 企業が存続するために。。★☆彡

宇宙で行われているISSの特殊な研究は、人類のために役立ち実世界に活かされてはじめて完成します。

そのために、ISSは主要国で多額の設備投資を持ち合いながら協力して取り組んできました。そのISSの運用を取りまとめてきたのは米国のNASAであるため、“米国法人ISS 社”として出資を集って民営化することが自然かもしれません。またはPFI方式(公共サービスの調達に民間部門の資金を活用するしくみ)の枠を改良する工夫もあります。

しかし、実際のところ資金負担に見合う収益が見えてこない。2030年以降もISSが運用ができるのかわからない・・など経営上の不確実さがぬぐえません。。

同時に、最近では中国、インドをはじめ新興国が宇宙開発への意気込みと力を誇示してきており、宇宙が商業化されるに伴い、宇宙空間に “平和と国際協力” を築くことが遠のき始めています。さらに宇宙商業化は、宇宙ゴミによる衝突リスクの確立を増やしているため、地球環境への問題も呈しています。

このように、ISS商業化においては多額資金の問題、各国の国際政治や経済力、宇宙探査の目的の違いなどから国際協力を取り付けるのは簡単ではなく、同時に地球環境へも影響を及ばせています。

従って、ISSの将来に関する議論は、米国とともに元々の国際的なパートナーである、日本、ロシアの宇宙機関、欧州宇宙機関、カナダ宇宙航空局などの協力を崩さないことが前提と言えるでしょう。その上で、“地球上の人々の生活に豊かさと利益をもたらす重要なタスクを担っている”ことを強調し、ISSが世界から多くの出資を受けて民営化に成功することを信じたいものです。

ISSは今年で20年ですが、「銀河鉄道宮沢賢治作)は100年以上前から、「銀河鉄道株式会社の999 (松本零士氏創業)」は40年も前から銀河星雲(直系10万光年)を運行しています。1回くらいISSにも立ち寄るかもしれませんね。。
そして、国際宇宙ステーションが民営化されて継続することができれば宇宙はますます私たちの身近になることは間違いないでしょう。

★☆彡 同じように企業も地球の1員として、社会や人々にどのような貢献ができるかがますます問われるのでしょう。その上で企業は常に評価されています。
しかし、貢献と言っても決して目立つようなことでなくても、どの会社にも必ずある強味をささやかに提案し続ける事で充分なはずです。社会と向き合いそれを還元している企業がこれからも選ばれて利益も集まるのではないでしょうか。
きっと、そのような企業が21世紀をさらに良い方にけん引していくように思います。 We can do it ! 

文責)金田一喜代美

※ 税法の記述については最新税法に基づいたアウトラインに留まります。
実際に税法の判断を行う場合には専門家にご相談ください。
なおブログ全体は筆者個人の私見に基
づく内容であり、所属する組織には一切関係するものではありません。

《参考資料等》

(Tax)
・会計事務所だからできる!コンサルティング実践セミナー(辻・本郷グループ)
・瞬殺!法人税申告書の見方 (辻・本郷グループ)
・数字を武器として使いたいビジネスパーソンの会計の基本教科書 (辻・本郷グループ)
・アメリカ連邦税法第7版(中央経済社)
・所得税の減価償却資産の特別な償却方法の承認申請手続(国税庁)
・Tax Infomation For Businesses:IRS (https://www.irs.gov/businesses)
・IRS special enrollment examination(Thomas Tax Seminars)
・Corporation,Partnerships, Estates & Trusts (Thomson)
・Concepts in Federal Taxation(Thomson)
・U.S. Corporation Income Tax Rate https://en.wikipedia.org/wiki/State_income_tax
・4 U.S.C. Title 26.・Biden retirement proposal would overhaul traditional 401k tax benefits(Megan Henney Fox BusinessAugust 29, 2020)
https://finance.yahoo.com/news/biden-retirement-proposal-overhaul-traditional-173611440.html

(Others & ISS)
・2019年度 米国進出日系企業実態調査 (第38回調査)2020年2月6日 日本貿易振興機構(ジェト海外調査部米州課
・平成30年度我が国内外の投資促進体制整備等調査(諸外国等における租税制度及び各国現地子会社等に対する課税問題に係る調査・研究事業) 経済産業省委託調査報告書
・日本企業、対米投資7割増・1年で 1.4 兆円、減税追い風 米が国を挙げ誘致(日本経済新聞 2018 年7月4日夕刊)
世界の最新経営論2020.08.10NO.2052、2020.08.17No.2053(日経ビジネス)
・宇宙法上の国際協力と商業化(興仁舎)
・宇宙航空研究開発機構(JAXA)https://iss.jaxa.jp/kibo/mission/1ja/
・NASA-宇宙開発の60年 (中公新書)
・国際宇宙ステーションのすべて(洋泉社)
・宇宙法ハンドブック(慶応義塾大学宇宙法研究所)
・宇宙について知っておくべき100のこと(小学館)
・ムーンビレッジ構想201908 Vol.49(日経サイエンス社)
・地球人の孤独・宇宙人と遭遇しないのか・地球外生命の存在確立202010 Vol.50(日経サイエンス社)
・International Space Station Transition Report pursuant to Section 303(c)(2) of the NASA Transition Authorization Act of 2017 (P.L. 115-10)  March 30, 2018
・Dept. Treasury, Unified Framework for Fixing Our Broken Tax Code (Sep. 27, 2017)
・NASA Office of Inspector General EXAMINING NASA’S PLANS FOR THE INTERNATIONAL SPACE STATION AND FUTURE ACTIVITIES IN LOW EARTH ORBIT For Release on Delivery (expected at 10 a.m.) July 10, 2019
・Re-negotiation of the International Space Station Agreements—1993–1997(Acta Astronautica 53 (2003) 917 – 925)
・Building blocks for the development of an international framework on space resource activities (A/AC.105/C.2/L.315)
・INTERNATIONAL REGULATION OF SPACE ACTIVITIES(Workshop on Air Transport, Air and Space Law and Regulation)
・Sovereignty’s Gray Area: The Delimitation of Air and Space in the Context of Aerospace Vehicles and the Use of Force (Journal of Air Law and Commerce vol.81//2016 )
・A car-size asteroid flew within 1,830 miles of Earth over the weekend — the closest pass ever — and we did not see it coming :August 18,2020 (Business Insider Select)