◇◆『平和の祭典』からの~贈り物~◆◇

◇新年、あけましておめでとうございます。今年も皆様とご家族様のますますのご清祥を祈っております◇

いよいよ今夏には、世界最大の『平和の祭典』であるオリンピックが7/24㈮~8/9㈰、パラリンピックが8/25㈫~9/6㈰ の期間、
東京で開催されます!(※それぞれ33競技、22競技)

さて、オリンピックの基本的な考え方の中に、“オリンピックから創出される遺産は次世代へ引き継がれる”とあります。
~それは、どのような遺産なのでしょうか? オリンピックが人類にもたらすものとは?~

~東京2020オリンピックマスコット‘ミライトワとソメイティ~
公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック
競技大会組織委員会公式HP より
https://tokyo2020.org/jp/special/mascot/

 
【 日本のオリンピックのこと 】
◆ 開催都市<東京>になった背景
日本は、実のところ今回3回目のオリンピック招致なのです。
1回目・・1940年 《関東大震災からの復興》、・・しかし国際政治に翻弄され中止となった・・
2回目・・1964年 《敗戦からの復興》、
3回目・・2020年 ・・2013年9月に決定。 この時日本は東北震災の復興の途上でした。
安倍首相は、ブエノスアイレスで開かれた開催都市決勝戦で
「スポーツは万人に等しい機会を与え、その遺産は建築物、国家プロジェクトも含め、人間のグロー
バルビジョンに投資するすべて、国民総参加による「夢と希望を分かち合う大会」の実現により、スポ
ーツは世界と未来を変える」 というスピーチをし、震災復興がひとつの勝利の要因ともなり、
国際オリンピック委員会(International Olympic Committee:IOC)によって、東京が開催都市として決定され、日本中が歓声に包まれたのです。

◆ 『平和の祭典』は日本のミライ遺産へと進化する
わが国 「オリンピック・アジェンダ2020」では次のような目的と骨子が述べられています。
プロジェクトのあらゆる段階で、経済、社会、環境の各領域を包含する持続可能性の施策を設ける。
男女平等を推進する。
芸術家を招へいするプログラムを開発する。
次世代に誇れる遺産の創出と世界への発信として、

オリンピックでのかつて有益な遺産として、新幹線、高速道路、ごみのない美しい街並みが残っている。今回も高齢社会、環境問題に世界の先頭にたって解決する姿を示し、強い経済の実現、スポーツを通しての国際貢献、生涯現役社会、成熟社会として次世代に誇れる遺産を作り出す。
日本文化、伝統的な芸術、アート、クールジャパンとして世界中が注目するコンテンツ、ファッション、和食文化、祭り、和装、畳、など東京におけるショウウインドウ技術を生かし、日本の魅力を世界に発信する。
共生社会の実現として、障がいのある方々の個性、才能を生かし障がい者の文化芸術活動を推進する。など。
(2020年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会の準備及び運営に関する施策の推進を図るための基本方針より)https://www.kantei.go.jp/jp/singi/tokyo2020_suishin_honbu/kaigi/dai2/siryou1-2.pdf

◆ オリンピックをうけて、国際課税も改正になる
税制も、「開催目的の相互理解や友好を増進する」 との考え方を取り入れ、大会準備や運営のために、相当数の非居住者や外国法人が、平和の祭典の目的達成のために来日する事と、オリンピック競技は、大規模で国際的に重要なスポーツであり、ほかの開催国でも同様の非課税措置が講じられることが通例となっているため、次の改正を行いました。
内容)参加選手などの非居住者とIOC等の外国法人に係る法人・所得税の非課税措置を創設し、これらの方々が今年12/31までに日本で得たオリンピック国内源泉所得は非課税とされます。

【 オリンピックは重要な祭典なの? 】
◆ 落札価格9億円超
先月(2019/12月)オリンピックの創設者であるフランスのクーベルタン男爵がオリンピック開催を呼びかけた演説の原稿がオークションにかけられました。そして、スポーツ業界の出品としては史上最高値となる約9億6000万円で落札されたのです。

この演説の2年後にはIOC=国際オリンピック委員会が設立され、1896年にギリシャのアテネで開催された最初の近代オリンピックの実現につながったのです。
(NHK NEWS WEB 2019-12-20   https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191220/k10012221741000.html

・・・どんな重要なことが書かれてあったのでしょうか。次のようなことでした。
「外交における条約よりも民主的で国際的なスポーツ競技のほうが平和をもたらすことができる」と訴えている。
一国の国民だけが参加する競技会ではなく、「国際的競技会」の構想をふくらませ普遍的で、スポーツが果たしうるもう一つの役割として「国際交流」「平和」を述べている。
「オリンピックの理想は人間を作ること、つまり参加までの過程が大事であり、オリンピックに参加することは他人種と付き合うこと」と考え、英政府主催の晩餐会でも「人生にとって大切なことは・・努力すること」という趣旨のスピーチも行っている。

◆オリンピックから得られる贈り物
オリンピックを通して、人々はたくさんの気付きの贈り物を得ることができます。

~感動~
世界中の多くの人たちはオリンピックを見て感動します。
きっと、オリンピックで活躍している選手たちは、創設者が唱えたオリンピズム理念にあるように、自分の想いを表現するために、無限に努力しオリジナルなドラマを刻んできたからかもしれません。そのようなことから勝利に関係なく感動を与えるのでしょう。

~ソフトパワーの力~
今まで国家間における正義の主張争いによって、多くの人々が犠牲になってきた歴史があります。
しかし、スポーツは権力をつかわず人類を納得させるパワーがあると言えます。スポーツには価値観や文化について偏見が存在しないオリンピズムの理念があるのです。

~フェアでピュアな戦い~
オリンピックの戦いは、“敵の敵は味方”ということはないのでです。
たとえば、EU各国は国家主権を放棄することで、共通の利益を得る超国家的機関を創りました。これによって提携、同盟、連合などが無効化されていきました。
オリンピックの選手は勝利のために、国家間の裏で提携し合うことはないでしょう。個々人の勝利のために独立したピュアな戦いが期待できるのです。

~共感する知性~
オリンピックでは、異なる文化、民族、宗教、思想、気質、人生、感性が共存する世界でお互いに尊敬し対立しないので協定を結ぶ必要はないため、多様な社会において差異に関係なく人々が受け入れられ、共生を形成できるとしていく。先進国も途上国も資源を配分するマインドと知性をもつ。

【 五輪シンボルから感じること 】
オリンピックのシンボルの五輪マークも、創設者クーベルタンが考案しています。
青、黄、黒、緑、赤、そして地色の白を加えると、世界の国旗のほとんどを描くことができるという理由で6色を選んだ、と書き残しています。さらに、5つの輪は5大陸の結合をあらわしています。

↓ ※ここから先は、筆者の個人的な考え方になります。
白の部分は特に何に該当するか定まっていませんが、筆者は大陸を結ぶ海峡に当てはまるのではないか、と考えました。経済は、貿易が盛んであり、必ず通る通過点で発達してきています。それが海峡なのです。大部分は自然海峡であるマラッカ、ホルムズ、人口運河であるスエズ、パナマの4つを通過して集中し、スエズ運河は1869年から地中海と紅海を結んでいます。この運河によりアフリカを回ることなく、アジアとヨーロッパに行く事ができるようになり海洋航路に大きな発展がもたらされ経済と人類の文化的発展を推し進めました。この5色+1色で地球全体をカバーすることができそうです。(南極を除き)

★そして余談ですが、この各6色に対する印象は次のようなイメージが一般化されているようです。
白・・・善、雪、無、真理、清潔、純粋など
黒・・・権威、防衛、武勇、富裕層など
赤・・・血、生命、革命、力、愛、情熱など
黄・・・太陽、穀類、電子、注意、活発など
緑・・・植物、自然、安全、健康、希望、平和など
青・・・水、冷静、知性、内面、未来、誠実など
*フリー百科事典『ウィキペディア 色より(Wikipedia)』

◆可視光線の「スペクトル」光の三原色からみる

この色帯は可視光線のスペクトルです。
海は青く、桜は桃色、葉っぱは緑・・落ち葉は黄色と赤というように、私達の周りには様々な「色」があり、毎日様々な色に出会います。しかし、色というものは存在しないというのが、現代の科学者たちの見解です。
光は「電磁波」の一種で、波の性質を持っており、私たちが見ることのできる光は、およそ「380~780 nm」とごくわずかな山と谷の範囲の波長に限られていておりこれを「可視光線」と呼んでいます。

赤、黄、緑、青、紫といった色の色相は、特定の波長が際立っていることにより変化し、際立った波長の範囲によって、感覚的に記述することはできます。この色の変化は、物体と物体を照らす光を用いて説明され物体に入射する何らかの波長の光が観測者の方向へ反射する際に、その物体の物性に応じた特定の波長のみが反射されそれ以外は吸収される(=波長に応じ反射率が異なる)という現象が起こり、観測者には反射された光だけが届くため、その波長に基づき判断される色が、「その物体の色」として認識されている(つまり、光そのものに色という性質はなく、光を受けた器官が色を作っている)。フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

★さて、日本の文化には、豊かな四季を織りなすように、伝統色が450種類以上あり(小豆色:あずき、古代紫:こだいむらさき、紅紫:べにむらさき、飴色:あめいろ、山吹色:やまぶき、花緑青:はなみどり、萌葱色:もえぎ、黄金色:こがね、鶯色:うぐいす、紺碧:こんぺき、若草色:わかくさなど。。)ます。日本人の情感の豊かさを感じることができますね。

しかし、この色の見方は、「国」や「文化」によっても様々で、たとえば日本は虹は7色ですが、5色や6色の国もあったり、太陽の色を日本は赤、中国は白、英国は黄、エジプトは金色にしたり「どの波長の光が何色に見える」というものは、国や文化の違いによって異なり、何色に見えるかは、「科学の問題」ではなく、「文化の問題」となり、色相から受ける感じ方も民族によりそれぞれ異なるという事になりそうです。

つまり、五輪シンボルカラーそのものも国の文化によって、見え方や意味が異なる事を最初に理解することから始めなくてはならないと言えます。

【 オリンピックの遺産 】
◆ 国家間の覇権争い
以前より国と国は、社会的、経済的、政治的に覇権争いを繰り返しながら、自国の優位性を確保することで富を集めて来た経緯があります。たとえば前述した大陸を結ぶ海峡で、海洋航路に大きな発展がもたらされたことにより、英国は最初の航海条例を制定し、貿易の莫大な利益と富を帝国内で十分にたくわえることができました。

その後、今度は自由貿易主義を世界に広め、さらに富を得て行ったのです。覇権強国となった国は、たいがいは自分が利用したはしごをはずして、他の王国、国家、帝国には利用させず、強国を維持することに成功してきています。中国ことわざに「どんな友情も変化する、変わらなのは個人的利害だけ・・」のように、国によっては表面的に倫理や平和を唱えながら、実際には経済、軍事、環境を自国の有利に導いていく史実があるのです。

また、国同士の同盟は比較的に損得勘定できまることが多く、外交はまわりの状況にあわせて自国の利益となる結果を得ようと動きます。つまり外交の基本は、理想や倫理ではなく国益と言えます。国益は変化が多いため国際関係もその都度違う形になり、地理的、経済的、政治的な競争で優位を奪い合うこうした対立で、世界舞台は不安定さを招き、掌握不能な移民、温暖化、人口の不均衡、広がる一方的な経済的格差、テロを引き起こしてきました。

◆ オリンピックは政治と経済に影響されてきた
今までにオリンピックは2つの世界大戦による中断や、東西冷戦によるボイコット問題などで、時代の社会情勢に左右され、そのたびに「あるべき姿」が問われてきました。しかし紆余曲折を経ても、なお継続しています。それは、創設者のクーベルタンが土台を築いた「オリンピズム」という理想が、世代や国境を越えて共感を呼び、次の世代へ受け継がれてきたからと言えそうです。第1回の東京オリンピックも戦争と政治に翻弄され中止となっています。
★オリンピックは台風のような政治と経済に翻弄されながらも、幹は折れずにしなやかに存続しているのです。

◆ 経済効果を超えて、オリンピックは世界の遺産へと
このクーベルタンが提唱する「スポーツによって文化・国籍などの差異を超え、フェアプレーの精神をもって理解し合うという」オ
リンピズムは、上記のように各国が覇権を争うような帝国主義の時代にあっては、実に画期的なものだったのです。
「経済や政治の平和」と「オリンピズムの平和」は、上述のように根本的に目的が異なっていたのですから。

そして、オリンピックは、風雪を超えながら回数を重ねるごとに、国や地域間問題、放映権とジャーナリズム、経済構造など、さまざまな分野の世界が絡み合い、各方面に大きな影響を与える巨大な祭典に成長し、人類の英知を結集して、それらは人類に遺産となっているのです。

この、オリンピックの遺産は、表面的な経済側面だけでは測れない効果の大きさを持っていると言えます。
もともとオリンピックは経済効果を狙ったものではなく、国家主権を超えた平和の祭典です。
そして人類の感動と共感でそこに人が集まります。
もし、経済効果に言及するとすれば、先進国では、すでに物やサービスの市場は供給過多になりつつあります。

筆者はその中で人々が次に欲することは、おそらく、心を満たす感動であり、芸術に共感を得て、対価を支払うようになるのではないかと考えています。オリンピックが残した遺産は、4年後の第33回パリのオリンピックへ、さらに次世代に引き継がれます。オリンピックは、この感動と共感の遺産から創出される価値で、あらたな経済効果が生まれ、その場合は今後も確実に続くと考えられます。

★まずは、この新春に2020年の東京オリンピックが、世界の感動と歓喜に包まれ大成功を収めることを祈るばかりです。

*** あとづけ ***

今年は国と国とが織りなす色相を見ることができる年になりそうです。
オリンピックに出場する各国の選手たちを、それぞれがオリジナルカラーの持ち主であると考えるのはどうでしょうか。一人として同じ色はなく、個々は独立して存在するカラーです。オリンピックシンボルが象徴する5色の大陸のつながりも、政治や経済や社会システムでは叶えられず、この様々な選手の色彩によるフェアでピュアなスポーツの祭典や、感動する芸術で叶えられのではないかと考えられます。
一方、混沌とする社会について、スペイン出身の詩人ラモンは、次のように言っています。
「世界は、それを通して見えるレンズの色をしている」と。
今年も世界情勢については各国から洪水のような情報が発信されるでしょうけれど、何色のレンズを通して見るかのよって、世界への見方はかわります。(地政学の思考法/ペトロ・パーニョス) ずっと見ていたくなるほど気楽で魅力的なレンズでも、ときにはそれを外すことで違う色彩や、貧富や身分、性別、人種などによるいかなる偏見もなくなり、舞台裏での本当の出来事が垣間見えるかもしれません。

文責:金田一喜代美

《 参考文献資料等 》
・私の起業ものがたり(東峰書房)
・令和2年度税制改正大綱(速報) 辻・本郷 税理士法人
・令和2年に開催される東京オリンピック競技大会又はパラリンピック協議大会に参加等をする非居住者及び外国法人にかかる課税の特例の創設 // 国税速報 第6571号
・令和2年に開催される東京オリンピック競技大会又はパラリンピック協議大会に参加等をする非居住者及び外国法人にかかる課税の特例の創設 // 週間 税務通信 No.3581
・国際課税関係の改正 財務省
https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2019/explanation/pdf/p0563-0711.pdf
・公益財団法人日本オリンピック委員会 (https://www.joc.or.jp/
・公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会公式
https://tokyo2020.org/jp/special/mascot/
・TOKYO2020 (22世紀アート)
・オリンピック秘史: 120年の覇権と利権 (早川書房)
・幻のオリンピック 1940年大会招致から返上まで(講談社学術文庫)
・オリンピック経済幻想論(ブックマン社)
・現代オリンピックの発展と危機1940-2020(人文書院)
・オリンピックと商業主義(集英社)
・Journal of Financial Planning//東京五輪後の景気、国内外の経済:
January/2020(日本FP協会)
・日経ビジネス//「五輪後」に起きる14の異変 12/23号NO.2022
・NHK NEWS WEB 2019-12-20
・地政学の思考法 (講談社)
・ニュースと合わせて読みたい世界地図(昭文社)
・世界で一番美しい元素図鑑(創元社)
・カラー図解でわかる光と色のしくみ(ソフトバンククリエイティブ)
・色の科学HP (http://sekatsu-kagaku.sub.jp/
・日本の伝統色(ペーパーバック)
・Emsle,John.Nature’s Building Blocks: An A-Z Guide to the Elements. New York: Oxford University Press
・Eric Scerri. The Periodic Table: its Story and Its Significance. New York: Oxford University Press