◇◆『宇宙兄弟』は ~テキサス州~ に住んでいる‼ ◆◇

~漫画“宇宙兄弟”のあらすじ~

ある日UFOを見た2人の兄弟(南波六太、日々人)は「一緒に宇宙飛行士になろう」と誓い、晴れてJAXAの宇宙飛行士になり、20年間の夢が叶って2025年には第1次月面長期滞在クルーの一員となって、2026年にその夢を叶え、日本人初となる月面歩行者として歴史に名を残そうとしている。最後まで希望を捨てず決して諦めない兄弟とその仲間のファイティングスピリットを描いた漫画です。

そして、この宇宙兄弟の2人はジョンソン宇宙センターに勤務し、住まいはテキサス州のヒューストンの,庭付き平屋の一戸建て2DKに住んでいます。リビング30畳と2部屋、家賃相場は16万円超が想定されます。彼らは日本国籍ですが日本の非居住者ですから、米国で確定申告をし、日本からの源泉所得がなければ、日本での確定申告はしていないだろうと思います。

《Houston at Night》

 

 

from

‘国際宇宙ステーションの飛行士が撮影した

空からのテキサス州夜景’

 

Houston, Texas, is about to become the center of the football universe.

~写真はテキサス州ヒューストンのフットボールゲームと町の賑わい~

1.資産に投資して利益を生む ◆

法人の収入拡大のために、注目されている経営のひとつに、‘損益+資産運用’の両輪で利益を稼ぐ「BSで稼ぐ」というキーワードがあります。

たとえば資産投資のひとつとしては、米ドルを利用した預金、長期債、生保、相続や事業承継を見越したスキームである米国不動産投資などが考えられますね

(※なお、本ブログは海外投資をお勧めするブログではありません)

◆ 2.米国不動産はなぜ人気なのでしょうか ◆

たとえば米国不動産がなぜ人気なのでしょうか・・、要素をあげてみると次のように7つ程のメリットがあるのがわかります。      

減価償却で‘自己金融効果’(法人は減価償却で節税できるのでキャッシュが増えます)

資産分散として世界最強の米ドル通貨を利用している

インカムゲインが狙える

キャピタルゲインが狙える

米国は法治国家として成熟しており不動産関連取引も比較的安心

不動産情報に透明性があり明確である

米国の移民政策による影響が大きい

 この移民政策もあり人口増加で③④の確実性が高く、過去年平均4%前後の値上がりが続いている。

このようなメリットの恩恵で米国投資が人気になっているのですね。(※ 海外投資のリスクとしては、為替、空き室、不動産市況などが考えられます。)

しかし、現在はハワイやカリフォルニアなどのエリアは高額になり過ぎて億の元手資金が必要であり、それほどの値上がり益も期待できなくなっています。そこで、近年は将来期待値が大きく、手頃な価格で手に入るテキサスに不動産魅力が出ています。

現在も、西部開拓途上であるテキサス州ですが、GDPは全米1位のカリフォルニア州についで2位で、世界では第10位です。面積はアラスカ州に次ぐ広さで人口はカリフォルニアに次いで全米2位と多くの人が暮らしています。

JETROの調査では、今後2~3年で市場が拡大すると思われる地域として、州別では、4回連続でテキサス州、カリフォルニア州が上位を占めています。(2019年2月22日発表 JETRO米国進出日系企業実態調査)

★ Why Texas?

西部開拓地であるテキサス州は2010年以降、主要産業としてハイテク産業などがテキサス州の経済を牽引し、通信産業、運輸産業、農業、航空宇宙産業など多角化しています。航空宇宙産業もテキサスを代表する産業であり、NASAのジョンソン宇宙センターはその中心です。

また、シェールガス資源開発など豊富な資源を持つ生産拠点でもあり、これらの経済活性が本格化されると言われています。

2014年には米国トヨタの本社機能がダラス郊外へ移転し、ほかにアメリカ西海岸のカリフォルニアからテキサスへと移っていく企業が増え、テキサスへの新たなオフィス設立や投資なども急増中です。

*ビジネスニュースを放送するCNBCでもテキサス州はビジネスに適しているとして第2位をマーク。

★不動産価格について

米国「Zillow」(不動産検索サイト)が扱った不動産価値の変動を見ると、過去1年でテキサスでは年で8.1%、カリフォルニアでは6.9%上昇しています。Zillowは今後も上昇すると予測しています。

(Source: Zillowにリスティングされている不動産を基礎/ 2016/11/30)

➣ 米国は人口が増え、成熟しているようですが、テキサス州のように新興国の要素もあり、需要は 旺盛なのです。

きっと宇宙兄弟の住むヒューストンのアパート家賃も上がることでしょう。お客様なら購入をお勧めしたいくらいです。

3. テキサス州は米国の心臓?

テキサスは出来上がってない、途上国州のようなもので、経済そのものはまだ伸びる余地があります。

北米大陸のほぼ東西中央に位置し、メキシコと国境を接するテキサス州は、全米のみならず、南北アメリカ、そして欧州、アジアとの物流および人的移動の要になっています。人的移動にとっても便利な土地です。航空会社各社のハブ機能が集中しているのもテキサスの特徴の1つです。

➣ 形をよくみると、テキサス州は、血液を送り出すポンプである心臓の形によく似ていますね。これからアメリカの血流ポンプの中心になるのかもしれません。

4.テキサス州の税金

テキサス州では、個人法人ともに州税はありません。法人が集まる理由もわかるような気がします。

(See:State Corporate Income Tax Rates and Brackets for 2018//FISCAL FACT No. 571 Feb. 2018)

★法人税アラカルト

<フランチャイズ税>

法人州税はありませんが、かわりにフランチャイズ税0.75%(カリフォルニアでは8.84%)というものがあります。グロスマージンと呼ばれる粗利益に対して、税率を乗じて計算されます。グロスマージンは次の4通りの計算方法のうち一番低い計算式が採用されます。(①総収入×70%、②総収入-売上原価、③総収入-人件費、④総収入-100万ドル)

さらに、優遇措置として、総収入が111万ドル以下は非課税、税額が1,000ドル以下は免税となります。

た、各州にはスローバック・スローアウト概念というものがあり、場合によっては有利になったり不利になることもあります。これは、課税所得を行う州が有利になるように、どの州にも帰属しない売り上げを課税対象売り上げとして取り組む規定を言い、規定の導入はそれぞれの州が決めることができます。

テキサス州は採用していないので、どの州にも帰属しない売り上げがあった場合は、テキサス州の売り上げにもしなくてもよいので、フランチャイズ税を計算する上で有利になる可能性があります。

<ユニタリービジネス(合算課税)でも有利>

法律上フラインチャイズ税はグループ企業の所得を合算することが義務となっていますが、テキサス州では合算課税の対象が米国内の法人と規定されているため、海外法人がグループ企業の一つであったとしてもその法人の所得を合算する必要はありません。

5.テキサスに不動産を購入した場合の税金

★個人で買うか法人で買うか・・・

投資家の中には、将来物件を売却した際に、個人名でIRSに確定申告をすることを望まない人や、相続までを視野にいれた場合や、減価償却メリットを考えた場合などから法人で買うことを選択する人もおられます。

一方、米国では個人で1年以上保有していると税率の軽減メリットがあるので、両方を総合的に比較することが必要です。

また、法人を設立する場合、米国ではLLC(Limited Laiability Company)日本の有限責任会社のような方法もあります。これによりテナントからの訴訟リスクをLLCで食い止めるという米国らしい発想があるようです。

★税金関係

<購入時> 

日本では登録免許税、取得税、印紙税、建物の消費税がありますが、米国では購入時の税金はほとんどなく、消費税もかかりません。

➣ 個人で購入した場合は、プロベート対策としてのトラストなど早めの 相続対策 の検討が必要です。

<保有時>

日本では固定資産税、都市計画税、特別土地保有税がありますが、米国では固定資産税のみがあり、テキサス州では評価額の2.5~2.8%程度。

<個人売却時>

(キャピタルゲイン課税)

*1年未満・・短期キャピタル課税(総合課税)

*1年超・・長期(総合課税の譲渡益とキャピタルゲイン課税25%とに区分)

(連邦税)

日本人(米国非居住者)が不動産を売却するときは、物件価格の連邦税15%を買い手が源泉徴収し、残り額を売り手にて支払います。(2016年に15%に改正されています。但し100万ドル以下は10%、またハワイ等州でも異なります)

※ 源泉徴収を回避するには、売り手は申請書フォーム「8288―B」をIRSに提出し、特別に許可を受ける必要があります。

(州税)

 法人・個人とも原則的にはありません。

(日本)

*5年以内・・個人所得税率 30.63+9.%=39.63

*5年超・・個人所得税率15.315+5=20.315

日本居住者が海外で得た所得は全世界所得課税なので、両国で申告を行います。

6. 個人の海外投資減価償却メリットがなくなる? しかし・・

わが国では、令和2年度税制改正大綱により、令和3年からは個人が減価償却費の損益通算を使った節税スキームが使えなくなります。

<個人>

今まで「海外で中古住宅を購入し、多くの減価償却費を計上することで、給与等と損益通算して所得税額を減少させる」という節税スキームが、富裕層を中心に行われてきましたが、税制改正で簡便法を用いた減価償却費の計上が制限されるという方向性が示されました。

ただし、減価償却計算の根拠には「使用可能期間の年数を耐用年数とする方法」もあるため、もし残存使用期間を合理的に見積もることができ、実態にそぐわない耐用年数設定が是正される場合には、一定の減価償却費の計上が認められる可能性もありますので、政府の動向に注目する必要があるでしょう。

➣ 一方、積み上がった償却費のお陰で、出口の最終的な譲渡益がいっぺんに圧縮され譲渡税が減少します。これは押さえておきたい点です。

➣ 減価償却以外の上記②~⑦のメリットを生かすことができれば、すぐに売却せずに投資として再検討することができます。

<法人>

★今回の改正では、法人が保有する海外中古不動産には影響はないです

法人が保有する中古の海外不動産は税制改正による規制対象から外れ、従来どおりの損益通算が適用できるとされています。

➣これにより、引き続きバランスシートで稼げることになる!

自己金融効果」が生まれて償却費の分節税になり、キャッシュが増える!

減価償却があると、利益が減ります。結果として、配当も税金も減ります。しかし逆に、現金収支上は、企業が自由にできる金額が増えることになり、「計算上は内部留保効果により、自由にできる現金が増える」 ことからこのような効果が生まれます。

★特に米国不動産は、建物割合が大きいので効果も大きいのです。

たとえば1億円の不動産

例)

*建物20%なら・・・2,000万円が償却費の対象にできる

*建物80%なら・・・8,000万円が償却費の対象にできる

法人税率30%として、耐用年数が4年であれば通算してそれぞれ600万円、2,400万円の自己金融効果が生まれ使える現金が増える事になります。

特に米国のような建物割合が大きいものは有利となり、バランスシートで稼げることに繋がると言えます! 

 7.国際的二重課税が生じたときは・・ ◆

日本人が購入した場合は、米国と日本の両国での確定申告が必要になりますが、外国税額控除により日本での税額が減額されます。

<国際的二重課税の発生の理由>

同じ物件に対して、2か国以上の国で課税された場合です(個人・法人ともに)。

このような二重課税をそのままにしておくと、国際的経済発展の阻害要因になるので、二重課税を排除するという共通の考え方が各国で基本的にあります。(3か国課税は控除できないことがあります)

<おさえておきたい内国法人と外国法人の各国の考え方>

➣どこを居住地国とするかの考え方は、国ごとに法人設立の際の準拠法が異なります。

 a. 日本・・本店所在地主義

 b. 米国・・設立準拠法主義

 c. 英国・・管理支配主義

各居住地国においては、これによって自国内の準拠法に応じた内国法人には内国で生じた所得のみならず国外で生じた所得も全部課税(全世界所得課税)することができるようになります。 

一方、居住地国における外国法人については自国ないで生じた所得に課税する、つまり納税地の法的地位にかかわらず、所得が生まれた場所で課税(源泉地国課税)します。      

従って、各国は自国の内国法人については居住地国課税、外国法人に対しては自国内で生じた所得に対して源泉地国課税を行うことになります。

 これによって国際的二重課税が生じる場合

 ①居住地国課税と源泉地国課税の競合

 ②居住地国課税同士の競合 

 一方の国で内国法人とされた法人が他国でも内国法人とされる場合で、たとえば我が国はa.で英国ではc.を居住地国とするので、居住地国&居住地国となる。 

 ③源泉地国課税の競合

 場合によっては複数国で課税される可能性がある。

<控除の限度額計算式は・・>  

 *国税の控除限度額= 日本国税 × 外国の所得金額/日本の所得金額合計

我が国では各国分を一括でまとめ計算する方法だけとなります。(国ごとで計算する方法もある)

<外国税額控除は、税の優遇としての存在>
外国税額控除は、国内のみに投資する納税者と国外に投資する納税者との比較において、国外にも投資をし易くしていると言え、これは国側からの税制的な恩恵ともとらえることができますね。

   ^^^^^《おわりに》^^^^^

*BS戦略と将来・・・

米国不動産投資を通して、資産に投資することで、さらに ‘利益+現金’ を得ることができることを簡単に記述しました。

現在の成長国のビジネスモデルは、発展途上国のそれとは大きく異なってきていますので、今の低金利時代であれば借入れしたとしても「ファイナンスとの力技で勝てる時代」と言えそうです。 経営者は両輪でいかにして稼けられるかを視野に入れる良い時期とも言えます。

一方、資本主義は非物質化されつつあります。経済環境は、価値を提供するサービス経済へと移行しつつあり、消費者は非物質化した価値要求を満たすことができる製品とサービスを購入するようになると言われています。そういった意味では、同じ商品でも当社だけの“Only One”の価値を付けることで差別化ができ、ビジネスチャンスは広がるようになるのではないでしょうか。

*税金と公共性(SDGs)・・・

儲けた利益は税金がとられますので、節税を行って税をコントロールできればキャッシュを生み出すこともでき、個人資産運用や経営者がとれる経営に幅ができます。しかし節税だけがベストな経営ではないことも視野にいれるとさらにチャンスは広がるのでしょう。

なぜなら、課税は財源確保だけではなく、資源再配分の手段ともされ、税で作られた公共設備や環境、私たちの衛生や安定した健康、安全の確保ができ、このように税金が役立ち成り立っています。

事業をする上で、リスクと納税をチョイスすることは、国で雇用を生み出し、多くの人々に役立つという経営ならではの醍醐味なのかもしれません。

海外投資をした場合は、海外からも日本に納税できることになり、大きな希望となります。 それはトルクルダウン(※1)と同じ効果を生むことができるのではないかと、ひそかに筆者は期待しています。

そして、さまざまな社会問題に対して1人では何もできなくても、‘世界の安定した公共性’ への想いを持てば、SDGsも形作られるのだろうと思わずにはいられません。

2026年には、日本初の月面歩行のミッションも、テキサス・ジョンソン宇宙センターの宇宙兄弟が達成し、新たに人類に公共的な希望を与えてくれのではないでしょうか。

          (文責:金田一喜代美)  

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*上記は原則的課税について記述しておりますので、イレギュラーな処理等は個別に専門家にご相談されてください。 

*本ブログは海外投資を勧めているものではございません。         

*その他の国際資産税の詳細については、弊社から出版しました、新刊『国際相続・贈与がざっくりわかる!~海を渡る次世代資産~』をご参照ください。 

  

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1トリクルダウン(trickle down)・・「徐々にあふれ落ちる」という意味で、大企業や富裕層を支援する政策を行うことで、お金が再投資にまわり経済活動が活性化され、雇用などを生み出すことで、富が低所得層に向かって徐々に流れ落ちて、国民全体の利益となるとする仮説であるが、否定的な意見がほとんどである。

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《参考文献等》
★ 経営ノート2020 ~バランスシートで稼ぎなさい~ (東峰書房)
★ 実況解説!先取り令和2年度税制改正 : 辻・本郷 税理士法人 ( ぎょうせい)
★ 国際相続・贈与がざっくりわかる!
~海を渡る次世代資産~ 辻本郷税理士法人編(ラーニングス社)   
☆彡 上記絶賛発売中 ☆彡

令和元年案版外国税額控除コンパクトガイド(大蔵財務協会)
・外国税額還付の手引書 ( 〃 )
・個人の外国税額控除 (中央経済社)
・テキサス州における税制 JETROヒューストン事務所
・富裕層VS税務当局 節税巡る仁義なき戦い;富裕層 2020/2/8号(週間ダイヤモンド)
・資本主義の新しい形 (岩波書店)
・「影」と「陽」の経済学 我々はどのように不況と戦ってきたのか(東洋経済新報社)
・「経済学は悲しみを分かち合うために――私の原点」(岩波新書)
・「分かち合い」の経済学 ( 〃 )
・ケース・シラー 全米住宅価格指数 (A&P Dow Jones Indices)
・2018年度米国進出日系企業実態調査報告書;第37回 (JETRO)
・戦略的アメリカ不動産投資(幻冬舎)
・アメリカ不動産投資の話 (〃)
・本命 米国不動産投資 (〃)
・大本命 テキサス不動産投資(〃)
・ロスアンゼルス不動産投資(日経BP)
・アメリカ不動産レバレッジ(クラブハウス)
・Lyndon B. Johnson Space Center, JSC
https://www.nasa.gov/centers/johnson/home/index.html
・TAX FOUNDATION State Corporate Income Tax Rates and Brackets for 2018  
FISCAL FACT No. 571 Feb. 2018
・State Corporate Income Tax Rates and Brackets for 2018
https://taxfoundation.org/state-corporate-income-tax-rates-brackets-2018/
・COMPTROLLER.TEXAS.GOV
https://comptroller.texas.gov/
・Department of Taxation-Hawaii gov.
 https://tax.hawaii.gov/