電子商取引等に関する消費税

電子商取引等に関する消費税

電子商取引等に関する消費税の納税義務者は、「国内事業者」かまたは「国外事業者」かによって、取り扱いが異なります。

この事業者とは<法人> および <個人事業主>の両者がふくまれます。 法人のうち内国法人とは、法人税法において、「本店」を「国内に有する」法人を内国法人と定義している。この「本店」とは「日本の会社法」上の本店を指します。その上で、「日本の会社法」上の本店とは、登記が必要であるため、日本「国内」に登記される会社です。従って、日本の会社法で設立された法人は、必然的に日本国内に本店を持つので内国法人になります。また内国個人事業者とは所得税法上の居住者です。

外国法人とは、内国法人以外の法人です。従って、外国の会社法で設立された法人を「外国法人」と解することができます。国外個人事業者とは所得税法上の非居住者です。

Ⅰ.越境電子商取引にかかる消費税の納税義務

1)国内事業者の納税義務の判定について

次の表にの1.5.のいずれかに該当することになり、日本の国内法人と同じ納税義務を負い、基本的には同様の申告納税方法となります。

2)国外事業者の納税義務の判定について

次の表にの2.4.のいずれかに該当することになり、消費税の申告納税方法となります。 日本では、平成27年の税金改正により、国外事業者に対しても納税義務が生じることになりました。 すなわち国外事業者が国内事業者や国内消費者に「消費者向け電気通信利用役務の提供」を行った場合には、その経済取引から生じる消費税を税務署に申告納税します。
また、国外事業者の日本での納税義務者の判定をする際は、基準期間または特定期間の判定をすることになります。
この際、国内の者に対し消費者向け電気通信利用役務の提供を行う国外事業者は、どのように国内のものに対する売り上げを合理的に区分したり、把握するのかが問題になります。

★ポイント①
*「事業者向け電気通信利用役務の提供」ならリバースチャージ方式です。
*「消費者向け電気通信利用役務の提供」なら国外事業者申告納税方式です。

仕入れ全額控除の取り扱いも異なります。そのため「事業者向け電気通信利用役務の提供」に該当するのか、「消費者向け利用役務の提供」に該当するのかによって課税方式が異なりますので、取引する電気通信利用役務の提供がどちらに該当するのか大きな問題となります。

3) “電気通信利用役務の提供”は、特定資産の譲渡等に含まれている

日本においては、国境を超える取引として消費税の課税が対象になる取引は、「特定資産の譲渡等」ですが、その中の「電気通信利用役務の提供」が今回の対象取引になります。 電気通信利用役務の提供とは、インターネット回線を介して音楽や電子書籍等の著作物等を提供する行為のことをいいます。
電気通信利用役務の提供とは(資産譲渡と資産の譲渡等のうち、電気通信回線を介して行われる著作物の提供の提供であって、他の資産の譲渡等の結果の通知その他の他の資産の譲渡等に付随して行われる役務の提供以外のものを言うと規定しています。
つまりインターネット回線を通じて販売される音楽や電子書籍、広告配信などが電気通信役務の提供と位置づけられます。この電気通信利用役務の提供は国内事業者が行うものと国外事業者が行うものに分けられます。このうち国外事業者が行う電気通信利用役務の提供のうち更に「事業者向け電気通信利用役務の提供」と「消費者向け電気通信利用役務の提供」に分けられます。

4)事業者向け&消費者向けで分かれる

国外事業者が行う、電気通信利用役務の提供は、さらに事業者向けと消費者向けに分かれます。具体的な図は下記のようになります。 (該当する取引例)
次のような取引が挙げられます ①インターネットを介した、電子書籍、電子新聞、音楽、映像、ソフトウェアを配信
②インターネットを介して、顧客にクラウド上のソフトウェアやデータベースを利用させるサービス
③インターネットを介して、顧客にクラウド上で顧客の電子データの保存を行う場所の提供を行うサービス
④インターネット上のショッピングサイトオークションサイトを利用させる子サービス(商品の掲載料金等)
⑤インターネット等を通じた広告の配信
⑥インターネット上でゲームソフト等を販売する場所を利用させるサービス
⑦電話、電子メールによる継続的なコンサルティング
⑧インターネットを介して行う宿泊予約、飲食店予約サイト(宿泊施設、飲食店等を経営する事業者から掲載料等を徴収するもの)
⑨インターネットを介して行う英会話教室 など

5)登録外国事業者制度について

「消費者向け電気通信利用役務の提供」行う国外事業者が、わが国の課税当局に登録する制度です。国外事業者が、国内消費者または国内事業者に「消費者向け電気通信利用役務の提供」を行った取引は、内外判定基準によって国内取引となります。そのため免税事業者ではない国外事業者は、わが国に申告納税義務を負うことになります。
この国外事業者は、一定の要件を満たせば登録を言うことで受けることで「登録国外事業者」となります。
これによって「消費者向け電気通信利用役務の提供」を受ける国内事業者は、この登録国外事業者からその役務の提供を受けた場合のみ仕入れ税額控除が認められます。
ただし国外事業者についても事業者免税制度の適用があります、この場合は申告納税義務はありません。

(国税庁ホームページで公表される登録国外事業者名簿)
① 登録番号
② 名称・日本語
③ 名称・英語
④国外にある住所または居所/本店または主たる事務所の所在地
⑤ 国内において行う「事業者向け電気通信利用役務の提供」以外の電気通信利用役務の提供に係る事業者等を国内に有する場合の所在地
⑥ 登録年月日

6)登録国外事業者に登録国外事業者になるための要件

国税庁長官は登録を受けようとする国外事業者が、次のいずれかに該当すると認めるときは、登録を拒否することができますので、この拒否事由を全て満たしていないことが要件です。
①国内において行う電気通信利用役務の提供に係る事務所、事業所その他これに準ずるものを国内に有しないこと、または税務代理の権限を有する税務代理人がいないこと
②その国外事業者が納税管理人を定めていないこと
③ 現に国税の滞納がありかつその滞納額の徴収が著しく困難であること
④ その国外事業者が登録を取り消され、その取消しの日から1年を経過しない者であること

7) 国外事業者が登録国外事業者になるための登録申請について

登録を受けようとする国外事業者は、一定の事項を記載した「登録国外事業者の登録申請書」に所定の書類を添付して、その納税地を所轄する税務署長を経由して国税庁長官に提出することになります。

. このような国外事業者のうち「登録国外事業者」から受けた「消費者向け電気通信利用役務の提供」については、国内事業者は一定の要件が整えば「仕入額控除」が認められます。
同時に「登録外国事業者」は、その「消費者向け電気通信利用役務の提供」を受ける他の事業者の求めに応じ、その「消費者向け電気通信利用役務の提供」に係る請求書等を交付するものと規定されています。